安全の手引き

2020/2/24

安全の手引き

I 序言
  この手引きは、クウェートで生活するうえにおいて、犯罪や事故による被害を未然に防止するために参考となる事項についてまとめたものです。
  一人一人が身の回りを再確認し、犯罪や事故による被害の未然防止に努めてください。

II 防犯の手引き
1.基本的心構え
(1)自分の身は自分で守る
  クウェートは日本とは異なり、生活するうえで留意すべき点が多くあります。ここは日本ではないことを自覚し、「自身と家族の安全は自分達で守る」との心構えが非常に大切です。

(2)予防が最良の危機管理
  事件・事故から身を守るためには、予防のために必要な努力を惜しむべきではありません。常に最悪の事態を想定して、物心両面から万全の準備を講じてください。

(3)住宅の安全確保
  住宅の安全対策が確保されなければ、日常生活に悪影響が及びます。住居の選択は、確実な情報収集に基づいて慎重に行うことが必要です。各種情報を収集し、脅威を把握したうえで住居を選択してください。

(4)現地社会との交流
  平素から、地元の人々や、邦人の方々と良好な人間関係の構築に努めてください。いざというときの助力や、さまざまな情報を得ることもできます。

2. イスラム教への理解
 クウェートはサウジアラビアに次ぐイスラム教の戒律が厳しい国と言われております。 イスラム教のマナーや習慣を知らず、思わぬトラブルに巻き込まれることがあるので、注意が必要です。
(1) 酒類等の禁止
   酒類は全面的に禁止されており、飲酒行為や国内へ持ち込む行為も違法です。違反した場合は逮捕勾留され、10年以下の懲役又は100KDの罰金と大変厳しい罰則が定められています。
   また、豚肉も全面的に禁止されておりますので注意が必要です。

(2) 服装
   肌をむやみに露出しないことも重要です。特に女性は肌の露出を極力避けるように注意が必要です。

(3) ラマダン月
   ラマダン月期間中(2020年は4月下旬頃から5月下旬頃)は、日の出から日没までの間、公共の場所での飲食が禁止となります。期間中は警察が厳しく取締りを行っておりますので注意が必要です。
   また、期間中の夜間は多数の人々が街に繰り出し、事件事故が多発する傾向にありますので、特に注意が必要です。

3.犯罪発生状況
  武装強盗や車上荒らし、アジア人などの外国人女性を狙った性犯罪の発生が毎日のように報道されています。
また、最近では薬物の使用や所持による逮捕者が増えており、薬物汚染も大きな社会問題となっています。
被害に遭わないためには、これらを他人事とせず、平素からの防犯対策が必要です。
 
4.外出時の安全対策
(1)徒歩での移動は極力避ける(特に女性)
 昼夜を問わず、女性が道路を歩行する際は十分な注意が必要です。特に夜間は、複数であっても女性だけで道路を長い時間歩くことは避けてください。外国人女性が複数の男性により車で連れ去られ、性犯罪の被害に遭う事件も発生しています。
  路線バスが運行していますが、車内で痴漢などの被害が確認されていますので、女性が利用する際は特に注意が必要です。

(2)子供から目を離さない
 子供が誘拐される事案が報道されています。多くは性犯罪目的となっております。お子様を外で遊ばせる際には必ず保護者が付き添い、目を離すことのないよう特に注意が必要です。

5.生活面の安全対策
(1)引越後
 自宅周辺の環境、道路事情などに慣れることが大事です。緊急時に備え警察、病院、消防機関などの位置や連絡方法、知人宅の位置、連絡方法を確認してください。

(2)訪問者に対する注意
  知人などであっても、すぐには扉を開けず、覗き窓やインターホンで訪問者の身元を確認することが大切です。

(3)使用人に対する注意
 使用人を雇う際は、身元を調査し、経歴、家庭環境などの情報を得ておくことが重要です。また、身分証明書の写しを取っておくことも大切です。
  使用人には、来訪者に対する警戒、電話応対時の注意、特に家人不在時の電話応対などを徹底的に教育してください。使用人が不用心ではいくら警備対策を施しても意味がありません。

(4)長期間不在にする際の措置と対策
  貴重品は会社などの安全な場所に保管することが適切です。また住居対策として、警備会社との短期間契約による巡回パトロールやセンサーの設置などを利用する方法も考えられます。

6.交通事情と事故対策
(1)交通事情
 報道によると、クウェートでは2018年中、401名が交通事故で死亡しました。これは人口比率で考えると、日本の約3倍に相当する著しく悪い件数です。
 交通事故の原因は、高速走行しやすい道路環境(直線・車線が多い)である反面、交通マナーが非常に悪いことです。典型的なものとしては、危険な高速走行、車間距離不保持、急な進路変更と合図不履行、無理な追い越しと割込みなどがあり、重大事故に直結しかねません。
 また、特に高速道路への合流地点、ラウンドアバウト、Uターンレーンなどに入る際には注意が必要です。道路によっては合流レーンが短く、合流直前に急停車し後方から衝突される事故、ラウンドアバウトでは無理な車線変更による衝突、接触事故、Uターンレーンでは、Uターン直後に猛スピードの直進車と衝突するという事故が多発しています。
更に、速度が出やすい直線道路には所々バンプ(アスファルトの盛り上がった部分)が設置されていますが、この直前で急ブレーキをかける車もありますので、追突しないように車間距離の確保が必要です。

(2)交通事故対策
ア.他の車を過信しない
  こちらが安全運転を心掛けていても、急に車が衝突してくるといった形態の事故が非常に多いので、急な進路変更・割込み時の衝突を回避することができるような安全な車間距離と安全走行に努めてください。
 相手が、「止まるであろう」「譲ってくれるであろう」という「信頼の原則」は全く通用しません。
イ.定期的に車の点検・整備を行う
  過酷な気象条件下での車の使用となりますので、定期点検を心掛け、異常を感じた時はすぐに整備して常に良好な状態にしておくことが大切です。
ウ.余裕を持った運転を心掛ける
 時間に追われ、気が焦っている時ほど危険な運転をしがちです。平日の通学時及び下校時間帯は、日本では考えられないような激しい交通渋滞が起こります。普段から混雑する時間帯、道路状況を把握しておき、渋滞に遭っても目的地で時間を潰すくらいの余裕を持って出発してください。特にラマダン月の午後の退社時間帯には断食中のドライバーがイライラした状態で運転しているため、交通事故が最も多く発生する危険な時間帯であるといわれています。
エ.事故当事者になった場合の措置
  事故当事者になった場合は、直ちに警察(112番)に通報してください。事故原因が判明するまでは安易に事故の非を認めず、示談にも応じるべきではありません。
  当地の警察官の中には、英語を理解できない者も多く、アラビア語の堪能な助力者を現場へ呼び寄せることも事故処理を進めるうえで重要なことです。
 また、無保険の車が非常に多いので、過失の有無にかかわらず補償を受けられるフルカバーの自動車保険に加入しておくことが必要です。

7. テロ対策
  2015年6月に、市内中心部にあるモスクにおいて自爆テロ事件が発生し、死者26名、負傷者227名を出しました。
事件発生後には、「ISILナジュド州」を名乗る団体が犯行声明を発表しています。事件が起きたモスクはシーア派の施設であることから、この事件はシーア派を狙ったテロであると見られています。
クウェート政府は近年テロ対策を更に強化しています。しかし、テロ事件はいつ、どこで発生するのか予測は困難です。爆発音や銃声を聞いた場合や、不審者、不審物等を発見した場合は、すぐにその場から離れるなど、不測の事態に巻き込まれないよう、注意が必要です。

8. 緊急連絡先
 日常生活において、困り事などが発生した場合は、大使館(午前8時~午後4時)に、また、金・土曜日及び大使館執務時間外で生命に関わる事故など急を要する場合は、大使館緊急電話(9972-6596)へ連絡してください。
 警察・消防(救急車)などへの連絡は電話「112番」です。英語を話せる係官が応対することになっています。
※ 各連絡先は、以下IIIマニュアル別添をご参照下さい


III 在留邦人用緊急事態対処マニュアル
  緊急事態発生のおそれ、または緊急事態が発生した場合、大使館としては邦人の方々の安全確保のための情報提供及び国外退避の方法など、皆さまの身体の安全を第一に考えた対応を行いますが、平素からみなさま自身が、安全対策に十分配意していただくことが大切です。
  このマニュアルは、周辺国を含めた有事及び種々の緊急事態を想定して、迅速・的確に対処できるように平素の心構え、行動について取りまとめたものです。
1.基本的心構え
(1)過小評価することなく最悪の事態を想定した心構えと準備をする。
 平素から最悪の事態を想定していれば、いざ発生した時には心にゆとりを持ち、迅速、的確に行動することができます。

(2)落ち着いて状況を観察し、行動する。
 風評に惑わされたり、群集心理に巻き込まれることのないように事態の動向を十分に観察したうえで行動してください。

(3)連絡を密接にする。
 身体の安全確保のため、単独行動によるリスクを減らすとの観点から、邦人間の連絡を密接にして行動することが有益です。

2.平素の準備
(1)連絡体制の整備
  大使館では緊急時の対応に備え、クウェートに3ヶ月以上滞在する予定のある方に「在留届」の提出をお願いしております。在留届は外務省ホームページ(http://www.ezairyu.mofa.go.jp/)、若しくは当大使館窓口で提出することができます。また、帰国・転出・変更の際はその旨を速やかに届け出て下さい。
  大使館では必要に応じて、電子メールによる情報提供を行っています。住所・電話番号・メールアドレスなどに変更があった場合には大使館にお知らせください。
  滞在期間が3ヶ月に満たない場合でも、旅行日程や滞在先、連絡先などを登録すると、滞在先の最新の渡航情報、や緊急事態発生時の連絡メールなどを受け取ることができるシステム「たびレジ(http://www.ezairyu.mofa.go.jp/)」に登録されることをお勧めします。
  また、電話回線が遮断した場合、短波放送によるNHK海外放送などが特に役立つことがあります。
  緊急事態の発生を想定して、家族・企業内での任務分担、連絡方法などを明確にしておくことが大切です。
 
(2)退避経路及び退避場所の検討
  緊急事態発生時、直ちに国外及び情勢の推移により国内の安全な場所に退避を余儀なくされる場合に備えて、平素より複数の退避経路(空路・陸路)・避難場所(大使館を含む)について確認・検討しておいてください。

(3)緊急時避難先(国内)
  緊急事態発生時の状況に応じて、避難先へ集まっていただくようお伝えすることがあります。大使館が指定する避難場所は、以下の通りですので、所在地及び避難場所に至る複数の経路を検討しておいてください。

*在クウェート日本国大使館
所在地:Plot No.57, Mishrif 7A(Diplomatic Area)
TEL:2530-9400
FAX:2530-9401

*日本国大使公邸
所在地:Block5, Street4, Lane1, House21, Bayan
TEL:2539-0811
FAX:2539-0811

(4)携行品・非常物資などの準備(緊急時に備えてのチェックリスト)
※ □はチェック欄
□1.旅券
  6か月以上の残存有効期間を確認(更新手続きはお早めに)。旅券の最終頁の「所持人記載欄」は漏れなく記載し、下段に血液型を記入。なお、当国におけるIDなどはいつでも持ち出せる状態にしておき、滞在許可証などの更新漏れがないようにしておく。

□2.現金、貯金通帳などの有価証券、クレジット・カード
   現金はクウェート貨に加え、米ドルなどの基軸通貨を準備することが適切。2週間程度の生活費、及び出国費用を準備しておく。
 
□3.携行品の準備
   自宅待機や避難場所への移動を必要とする事態に備え、上記に加え次の携行品を備えて、すぐ持ち出せるようにしておく。
□ (1)ラジオ・予備電池(FMラジオ、NHKなど受信用短波ラジオ)
□ (2)非常食料・飲料水(最低10日間程度、できれば2週間以上が理想)
□ (3)衣類・履き物(動きやすい服装)
□ (4)洗面用具(タオル・歯磨きセット・石けんなど)
□ (5)医薬品(常備薬及び救急セット)
□ (6)毛布(普段使用のものでも可)
□ (7)その他準備しておくもの
   懐中電灯、予備の電池、ライター、ローソク、マッチ、ナイフ、缶切り、 栓抜き、紙製の食器、割り箸、固形燃料、カセットガス及びコンロ、簡単な炊事用具、(可能なら)ヘルメット、防災頭巾(応急的に椅子に敷くクッションでも可)
   
□4.自動車などの整備
  定期的に整備・車載工具の点検を行い、日常的に燃料・消耗品のチェックを行う。車内に懐中電灯、地図、ティッシュ、バッテリーケーブルなどを常備しておく。所有車両がない場合、緊急時の乗り合わせを検討しておく。

3.緊急時の対応
(1)情勢の把握
  緊急時にはうわさなどに惑わされたり、群集心理に巻き込まれることのないよう常に平静を保ち、大使館からのお知らせ、テレビ・ラジオなどから正確な情報の収集に心がけてください。(ラジオ周波数(別添1)表参照)
  電話連絡が可能な場合は、大使館から世帯主・企業責任者などに連絡を行います。

(2)大使館への連絡
  自分や自分の家族または他の邦人の方の生命などに危害が及びまたは及ぶ恐れのあるときは、直ちにその状況を大使館に連絡してください。
 断片的な情報のみであっても、他の邦人の方々にとって貴重な情報になります。緊急事態発生の際には、お互いに助け合って対応に当たることが、身体の安全と早期の国外退避に結びつきます。

4.国外への退避
(1)大使館への連絡
  会社の判断などにより、帰国または第三国へ退避する場合、邦人の方々を正確に把握する必要がありますので、可能な限り事前に帰国や第三国に避難する旨を大使館へお知らせください。
 事前の連絡が困難であった場合は、外務省領事局または第三国へ避難後、現地の大使館へ連絡をお願いします。(緊急連絡先電話番号など参照:別添2)

(2)退避方法
 大使館が邦人の方々に退避を勧奨または勧告した場合、定期便が運航している限り、定期便を使用して早急に国外へ退避してください。
 
(3)大使館からの避難指示
大使館から指定避難先(大使館・大使公邸)への避難指示があった場は、その指示に従ってください。



別添1.各ラジオ放送局集波数

(1)NHKワールド日本語放送(短波)
 放送時間(クウェート時間)
    午後8時~午後10時  9765KHz
    午後10時~午前0時  9670KHz
    午前6時~午前8時  9620KHz
  放送時間、周波数は年に2回の頻度で変更されます。最新の情報は、インターネットhttp://www3.nhk.or.jp/nhkworld/ja/radio/で確認してください。

(2)VOA (Voice of America)(FM)
  96.9KHzで英語放送を行っています。

(3)ラジオクウェイト(FM)
  99.7KHzで英語放送を行っています。

(4)BBCラジオ(FM)
  100.1KHzで英語放送を行っています。




別添2.緊急連絡先電話番号

在クウェート日本国大使館

大使館TEL 2530-9400
(夜間など緊急電話:携帯:9972-6596) 
    
日本国外務省(代表)TEL:+81-3-3580-3311
          (夜間などオペレータ不在の場合、緊急電話番号の案内があります)
海外邦人安全課 TEL:+81-3-5501-8160
邦人テロ対策室 TEL:+81-3-5501-8165

クウェート国際空港   TEL:161   FAX:2431-6830
クウェート航空   TEL:171  
エミレーツ航空   TEL:2205-5155 FAX:2205-5102
カタール航空     TEL:2290-1777 FAX:2242-3755
エディハド航空    TEL:2228-0566 FAX:2296-0080
英国航空  TEL:2242-5635 FAX:2244-6562
ルフトハンザ航空  TEL:2224-0160
オランダ航空  TEL:2227-9345 FAX:2227-9374
エールフランス航空  オランダ航空と同じ事務所・電話番号を使用
シンガポール航空   TEL:2225-8230
タイ航空   TEL:2242-1444
キャセイパシフィック航空    TEL:2246-1280