企業インタビュー(アルファナールモール)
平成29年3月20日
第6回:植木那緒子氏 アルファナールモール ゼネラルマネージャー

(ECA)日本からの派遣や駐在では無く、クウェートの現地企業に就職されている方にお話を伺うのは植木さんが初めてです。そもそもどうしてドバイやドーハではなくクウェートで仕事をされているのか個人的に興味を持ってしまいますが、クウェートとの出会いは何かきっかけがあったのでしょうか。
(植木氏)日本のマスコミで働いていた時に、偶然見つけた外務省在外公館派遣員制度に応募し、在クウェート日本大使館に赴任したのがクウェートとの出会いです。
(ECA)それは大変失礼しました。大使館勤務という点では私の先輩に当たるわけで、現在大使館に勤務するH郷派遣員のポストにいらっしゃったのですね。任期のある大使館員が、クウェートで職を見つけるというのは簡単な事では無かったと思いますが、差し支えない範囲で今の仕事に就くまでの経緯をご紹介いただけないでしょうか。
(植木氏)日本のマスコミで働いていた時に、偶然見つけた外務省在外公館派遣員制度に応募し、在クウェート日本大使館に赴任したのがクウェートとの出会いです。
(ECA)それは大変失礼しました。大使館勤務という点では私の先輩に当たるわけで、現在大使館に勤務するH郷派遣員のポストにいらっしゃったのですね。任期のある大使館員が、クウェートで職を見つけるというのは簡単な事では無かったと思いますが、差し支えない範囲で今の仕事に就くまでの経緯をご紹介いただけないでしょうか。

(植木氏)派遣員後の進路を考え始めた頃、あるクウェートの首長家の方から突然連絡がありました。その年、クウェートが射撃のアジア大会を開催することになり、運営チームに入らないかという誘いでした。派遣員の仕事を通じて出会った方が、大会を指揮する首長家の方に私を推薦してくれたのです。せっかくのご縁であることと、アジア大会終了までという期限付きだったこともあり、派遣員の任期終了後クウェートに留まってクウェート射撃協会で働きました。スポーツ射撃に関しては全く無知でしたが、アジア各国から訪れる選手団や審判の受け入れなど競技以外のロジスティクスを担当しました。アジア大会終了後、その首長家の方が現在のビジネスパートナーに私を紹介してくれて今の仕事に就きました。派遣員時代を含めて足掛け10年クウェートで仕事をしています。
(ECA)ただならぬ運命を感じるストーリーですね。本当にそのようなご縁があるとは驚きです。それらご縁の末に就かれた今のお仕事について、少し詳しくお聞かせください。
(ECA)ただならぬ運命を感じるストーリーですね。本当にそのようなご縁があるとは驚きです。それらご縁の末に就かれた今のお仕事について、少し詳しくお聞かせください。

(植木氏)現在アルファナールモールというショッピングモールのゼネラルマネージャーをしています。主な職務はモールの賃貸契約とファシリティマネジメントです。新しくテナントを誘致する際の交渉や、賃貸契約の更新、入居しているテナントに満足してもらえるよう施設を管理したりマーケティングイベントを企画したりと、モールの経営全てを担当しています。
(ECA)大変失礼ながら、現在の仕事に就くまでの植木さんのキャリアパスには、モール経営は見当たりません。また、当地では日本的な仕事の仕方も通用しないことが多いと聞きますので、植木さんのご苦労は想像を絶するものがあったのではないかと思いますが、特に仕事の上でクウェートを象徴するような点はありますか。
(植木氏)クウェートでの仕事で特異と感じるのは、人脈や信頼関係が特に重要な役割を果たすということです。私のこれまでのキャリアが例ですが、採用試験や人事面接といった手順を踏まず、口評判だけで雇ってみるというおおらかさがあります。仕事の場面でも慎重に精査してというよりは、人脈や家族関係など仕事の本質とは関係のない要素が意思決定の上で物をいうことも多く、それを理解するまでには時間がかかりました。
(ECA)口評判だけで雇われたものではないと私は思いますが、その雇われたアルファナールモールとは、どのようなショッピングモールでしょうか。また、経営上の課題はありますか。
(ECA)大変失礼ながら、現在の仕事に就くまでの植木さんのキャリアパスには、モール経営は見当たりません。また、当地では日本的な仕事の仕方も通用しないことが多いと聞きますので、植木さんのご苦労は想像を絶するものがあったのではないかと思いますが、特に仕事の上でクウェートを象徴するような点はありますか。
(植木氏)クウェートでの仕事で特異と感じるのは、人脈や信頼関係が特に重要な役割を果たすということです。私のこれまでのキャリアが例ですが、採用試験や人事面接といった手順を踏まず、口評判だけで雇ってみるというおおらかさがあります。仕事の場面でも慎重に精査してというよりは、人脈や家族関係など仕事の本質とは関係のない要素が意思決定の上で物をいうことも多く、それを理解するまでには時間がかかりました。
(ECA)口評判だけで雇われたものではないと私は思いますが、その雇われたアルファナールモールとは、どのようなショッピングモールでしょうか。また、経営上の課題はありますか。

(植木氏)アルファナールモールは1997年にオープンしました。映画館を含む複合商業施設としては国内で先駆けだったと思います。クウェートは特に夏の気候が厳しく娯楽が少ないこともあり、多くの人はショッピングモールを買い物だけではなく社交の場として利用したり、冷房の効いた環境なのでモールをウォーキングコース替わりにしたりします。人口の割にショッピングモールの数が大変多く、観光国でもありませんので、既存のお客様にリピートしていただけるようなモールの環境作りが課題です。近年クウェートの若者たちが海外で経験したことを元に自分でファッションのショップを手掛けたり、レストランやカフェを経営する事例が多く見られるようになりました。ソーシャルネットワークを駆使してマーケティングを展開し、独自のビジネスをソーシャルメディアから発信するケースも増え、ショッピングモールビジネスは従来の形にとらわれない変革が求められていると思います。
(ECA)ショッピングモールを経営している植木さんの目から見て、日本ブランドがクウェートに進出する余地はあるでしょうか。
(ECA)ショッピングモールを経営している植木さんの目から見て、日本ブランドがクウェートに進出する余地はあるでしょうか。

(植木氏)日本のファッションやコスメティックブランド、外食産業がクウェートに進出できる可能性は十分にあると思います。近年開発が進んでいる大型ショッピングモールにはクウェート新規参入ブランドが次々とオープンしています。クウェート人は旅行好きで、世界で流行っているものを本当によく知っています。興味を持てばすぐに実現に移す行動力も資金もある一方で、熱しやすく冷めやすい性質もあるので好機を逃さないようにすることが重要です。ファッションも外食産業もこちらの人の嗜好に合った、ある程度のローカライゼーションは求められると思います。また値引き交渉や返品交換交渉なども日本では考えられないほど強引なケースもあるので注意が必要です。
(ECA)現場ならではの視点ですね。ありがとうございます。最後になりますが、毎回皆さんに聞いている「クウェート人の特徴」や「クウェート生活」について、ひと言お願いします。
(植木氏)クウェート人は一度信信頼関係が築ければ大変寛大です。またゲストを招待するのも好きですし、おもてなし上手でこちらが気後れしてしまうほどです。ファッションの流行にも敏感ですし、新しい物好きな一方、保守的なところもあります。また、生活の面で言えば、この10年でクウェートで手に入るファッションブランドや食材が飛躍的に増えたと思います。特に海外で話題のスーパーフードが簡単に買えるようになったり、ジムに通う人が増えたりと健康志向な面が充実した印象です。多国籍の人が居住しているので、人々の運転マナーに驚くこともありますが交通ルールや取り締まりなども整備されてきました。
(ECA)本日は、たくさんの「いい話」をありがとうございました。クウェート業務歴は既に10年とのことですが、これからさらに続く「植木那緒子」ストーリーを楽しみにしています。
(ECA)現場ならではの視点ですね。ありがとうございます。最後になりますが、毎回皆さんに聞いている「クウェート人の特徴」や「クウェート生活」について、ひと言お願いします。
(植木氏)クウェート人は一度信信頼関係が築ければ大変寛大です。またゲストを招待するのも好きですし、おもてなし上手でこちらが気後れしてしまうほどです。ファッションの流行にも敏感ですし、新しい物好きな一方、保守的なところもあります。また、生活の面で言えば、この10年でクウェートで手に入るファッションブランドや食材が飛躍的に増えたと思います。特に海外で話題のスーパーフードが簡単に買えるようになったり、ジムに通う人が増えたりと健康志向な面が充実した印象です。多国籍の人が居住しているので、人々の運転マナーに驚くこともありますが交通ルールや取り締まりなども整備されてきました。
(ECA)本日は、たくさんの「いい話」をありがとうございました。クウェート業務歴は既に10年とのことですが、これからさらに続く「植木那緒子」ストーリーを楽しみにしています。